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毬藻は尚も言い募る。
「あとお前!無理に笑うのやめろよな!!友達の前では自然に笑えよ!!」
それを聞いて、副会長は驚いたような顔をした。
…まさか、気づかれてないと思ってたのか?
胡散臭い作り笑い。
俺はともかく、毬藻に気づかれるなんてまだまだだな。
やるなら徹底的にやれよ。
副会長はすぐに元の笑顔に戻り、
「…私の作り笑いを見破るとは…面白い。気に入りました」
そう呟き、毬藻の頬に手を添えて、
「なに…ん!?」
「…あー」
キスしやがった。
しかも長い。
「…っ、の、何しやがる!!」
ゴスッ
「ぐっ!?」
毬藻はすぐに顔を背け、副会長の腹に一発お見舞いして走り去った。
俺の前に残されたのは、毬藻の荷物と気絶した副会長。
…っておい。
どうすっかなぁ…
置いてっちゃ駄目かなぁ…
…よし、置いていこう。
俺は荷物を持ち直しながら、本来ならば副会長に案内されるはずだった理事長室を目指して歩き出した。
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