23人が本棚に入れています
本棚に追加
/20ページ
さして重たくもない荷物を肩に背負い、誰もいない廊下を歩く。
今はホームルーム中なのか、校内は静かだ。
「理事長室は…っと」
俺は取り敢えず当てずっぽうに歩き回りながら、理事長室を探すことにした。
…しかし広い学校だな。
ここ『篠崎学園』は、某県某所の山奥に建つ全寮制のエスカレーター式男子校。
その実情は、ホモ:バイ:ノーマルの比率が、
7:2:1のホモ校だ。
何故俺が、新学期が始まってしばらく経ったこの時期に、そんなホモ校に編入してきたのかと言えば、それは姉と母のせいだと言わざるをえないだろう。
俺の姉、李月(リツキ)は現役のBL作家で、俺と兄の雨月(ウヅキ)がじゃれていると鼻血を垂らし、貧血でぶっ倒れる程度の腐女子だ。
母の樺月(カヅキ)は現役大女優で、李月の影響で最近腐ってきた新米腐女子。
…つまりは、
「「月、私たちのために篠崎学園で総受けになってきて!!」」
…と言うことらしい。
最初のコメントを投稿しよう!