第7章・繋がりの輪になって②

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『どうしたの?何か様子がおかしいけど?拓也泣いた?』 『何でもない…シャワー浴びてくるから適当に座ってテレビ見てて』 【さよなら】ってどういう事!? 登録削除・プレゼントの服の返却・さよならの手紙…考える程にわからなくなり胸にチクンッとせつない痛みすら感じる。 少し長めのシャワーを浴びて、替えの下着がないわけじゃないけど→美和が洗濯した下着を身に付けた。 部屋に戻ると姉貴が美和の猫パジャマを広げて見ているところだった。 『姉貴ぃ、返せって(焦)』赤い顔になる松本は佳那子姉からパジャマを取って、丁寧にたたんで棚に戻してく。 『拓也にはひとまわり小さいわねぇ、噂の美和ちゃんの?パジャマって言うとお泊まりする仲なのかしらぁ?』 『姉貴、ニヤニヤ笑うのはやめてくれっ。残念ながら美和がお泊まりに来た事はない』 『でもパジャマはあるわよぉ』 『ニヤニヤ笑いながら喋らないで(焦)美和が外で汗かいて寝てたからシャワー使った時に忘れていった物よ』 『ふぅん、返さないんだ?このパジャマ何するの?頬ずり?(大笑)』 顔に当てた事もあるだけに嘘でもない事に松本は言葉に詰まる。 《美和の代わりに抱きしめてる》とかこの姉貴に言おうものなら兄貴や隆司に翌日には知れてしまう。 『鑑賞用だからもう良いでしょ、姉貴ぃ』 『このリボンは制服みたいねぇ』 『姉貴ぃ、頼むから美和の私物を詮索するのは…それは』 『あらぁ~、パジャマサイズくらいの服がたくさん。ピンクに赤に…ふぅん、彼女バストはまあまぁあるのね』 美和がK出版社に着たピンクの服を姉貴は手にし眺めていた。 《バストはまあまぁある》とか言わなくていいって(焦→照) 『返せって、姉貴ぃ。頼むから』 美和の胸はまぁまぁある、思ってはいたけど言葉にされると何だか…美和とあたしだけの秘密がばれたような気持ちになる。 もっともキス以外はしていないしお泊まりすらない。秘密なんてない。 『美和の服をおさめてくれる?喉が渇いたとか言ってたくせに~』 『逃げたわね、つまんない。けどそういえば喉が渇いてたのよ』 姉貴がやっと半透明ボックスへ美和の服を戻しフタをした。 まったく女ってのは詮索好きなんだから!付き合った女がみんなそうだった。 美和は詮索すらしないけど… しないと逆にあたしに興味ないのかと疑ってしまうけど…
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