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『やっば、姉貴っトイレットペーパー切らしてたんだった。ごめんっ!』
『はっ?(笑)何言ってんの?拓也小さい頃からかわいいとこあったけどトイレットペーパーまでこうクルとは思わなかったわ(笑)しかも匂い付き(笑)』
まさか?美和がそこまでしてくれてるって?台所からトイレに行ってみる。
用は足さないけどカラカラとトイレットペーパーを引き眺める。
ペーパーの色はピンク。赤いリボンがたくさん、そのまわりは赤いドッド柄(笑)。あっピンクの便座カバーまで(笑)…トイレまで掃除をしてくれてる。
普段から家事はやってはいたけどK出版社から帰ってずっとイライラしっぱなしだったから、帰りも遅かったし家事もさぼり気味だった。
トイレから出ると姉貴の冷やかしを受けたっ。
『拓也のピンク好きもトイレまで(笑)うちに泊まりに来たら同じようにしてあげるわ(笑)』
『姉貴ぃ~(焦)』
『赤いリボンにドッド柄、トイレットペーパーまでそうクルとは(笑)』
『笑い過ぎ!(汗)』
姉貴にベッドを譲りあたしは床に来客用の布団を敷いて横になる。
『最初っから美和ちゃんに会えていれば良かったね、拓也。最初に付き合った紫ボブが一番最悪だったかも。なんで付き合ったの?嫌がってたのに』
『今なら言っていいか…《あたいと付き合わなかったら佳那子や拓也の仕事を邪魔する》とか言うから』
『あの紫ボブ!拓也あたしの為に?』
『あたしは姉貴に付いて仕事して、スタイリストのノウハウを勉強してたから仕方なく付き合って…耐えきれなくて1ヶ月で別れたけど』
『ごめん…拓也ごめんね』『良いよ、初めてがあのデブ女じゃないし』
デブ女はいつも透け透けのネグリジェに紫の下着で迫ってきてた、最近でも迫られた事を思い出し記憶を消すように手で宙を斬った。寝る前に悪夢をみそうだ。携帯から美和ファイルを出し眺めてると姉貴が興味ありげにあたしを見ていた。『ニヤニヤしちゃって、あの手の画像かしら?見せてよ』
赤い顔をして美和ファイルを閉じ笑って誤魔化す。
『見たがりなんだから』
『もしかして美和ちゃん?隠す程に見たいものよ(笑)拓也にそんな顔をさせるなんて、気になるじゃない』『もう、良いからっ』
姉貴の言うとうり最初っから美和に会えていれば良かった…
美和…
掃除・差し入れありがとう!
ただ【さよなら】だけはしないから…ーーー!
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