第1章

2/14
前へ
/69ページ
次へ
頭がクラクラする 真っ直ぐ歩いてるつもりなのに、壁にブツかったりして馬鹿みたい 壁に背を預けて、顔を上げてみた 此処に・・・・・・、来たんだ 小さな夏樹が、しゃがんで泣いてた公園 この木の後ろに、隠れるように座って泣いてた夏樹を・・・・・・春樹兄さんと迎えに来てた場所 夏樹の温もりを探し、ザラザラと砂を撫で 冷たい・・・・・・ 涙がポロポロ流れ落ちてくる 「夏樹・・・・・・、夏樹夏樹夏樹夏樹。俺を迎えに、来てよ・・・・・・ッ」 何で・・・・・・? 何で・・・・・・ッ、だよ 『夏樹は俺を選んだ。手続きは済んでる、お前は寮で生活しろ』 信じられないよ・・・・・・ 楽しそうに、笑って ボール拭いて、練習試合見て 格好良いって、言ってくれたじゃないか 『ごめんね、冬樹。僕を本当に必要としてくれてる春樹兄さんを支えたいの』 酷いよ・・・・・・、夏樹 そんな辛そうな表情されたら 『そうか・・・・・・。分かったよ。春兄、夏樹を泣かしたりしないでよ』 馬鹿じゃない? ・・・・・・ッ、分かるわけないのに 「俺だって!夏樹が必要だよ!必要なんだよッ!」 好きなんだ!夏樹がーーッ 「好きなんだよ!好きだ!好きなんだァーーーッ!アアアアアッ!!」 泣いても泣いても、戻れない 叫んでも叫んでも、届かない どんなに求めても、触れることすら叶わない 光なんか要らないよ・・・・・・ッ 約束された未来も要らないから ーーッ、夏樹 公園にいるから、一人で泣いてるから 今度は・・・・・・、迎えに、来て 春兄と二人で『困った奴だ』笑ってよ
/69ページ

最初のコメントを投稿しよう!

152人が本棚に入れています
本棚に追加