分かれ道その25:母親

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ある日、麻友が突然熱があり早退し家に帰ると奈津美は言った。 「麻友、学校はどうしたの?」 麻友は連絡帳を奈津美に見せた。 「麻友、学校に戻りなさい。どうせ仮病でしょ?」 「仮病じゃない。」 「仮病する悪い子はうちの子じゃないわ。さっさと学校に戻りなさい!!」 何度も訴えたが、奈津美は麻友を仮病扱いして家に入れてあげなかった。 その頃笑里は、おたふく風邪にかかりしばらく学校を休んだ。 「笑里、学校へ行きたいのは分かるけどその風邪でお友達にうつるからちゃんと休みなさい。勇也も笑里と同じ年の頃おたふく風邪かかったけど、お友達の為に休んで学校へ行ったわ。大丈夫、お友達も笑里が早く元気になるの待っているよ。」 「うん……。」
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