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「グズ、すみません、いきなり泣いちゃって」
「いいよ」
「ひっく、今日は、大学に通うときの鞄を買いにいこうと思って、ちょっと大人っぽい格好をしたくて
あ、姉の服を借りたんです」
「うん」
「そ、したら、触られて、怖くて」
「うん、辛かったね」
「たす、助けてくれて、ありがとうございました」
本当にヤバイ。
ガッツリ堕ちたかもしれない。
あー、どうしようか。
「足の痛みは?どう?」
「大丈夫そうです」
「そう。じゃ、外出るよ」
「え?」
冷やしていた足首が腫れていないことを確認して湿布を貼る。
「鞄、買いに行くんでしょ?」
「いえ、笹木くんに悪いです。そこまで、」
「いいよ。大学用のでしょ?」
それから一緒に買い物をして。
何度もお礼を言われて別れた。
けど、連絡先は聞けなかった。
だから、数日後再び彼女が俺の家に来たときには驚いた。
しかも菓子おり持ってお礼に来るとは。
そのギャップに完全に堕ちた。
そっからは、暁さんが男に慣れていないのを良いことに、押しに押して
入学式前には恥じらいながら交際OKの返事を貰った。
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