3月といえば。②

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「グズ、すみません、いきなり泣いちゃって」 「いいよ」 「ひっく、今日は、大学に通うときの鞄を買いにいこうと思って、ちょっと大人っぽい格好をしたくて あ、姉の服を借りたんです」 「うん」 「そ、したら、触られて、怖くて」 「うん、辛かったね」 「たす、助けてくれて、ありがとうございました」 本当にヤバイ。 ガッツリ堕ちたかもしれない。 あー、どうしようか。 「足の痛みは?どう?」 「大丈夫そうです」 「そう。じゃ、外出るよ」 「え?」 冷やしていた足首が腫れていないことを確認して湿布を貼る。 「鞄、買いに行くんでしょ?」 「いえ、笹木くんに悪いです。そこまで、」 「いいよ。大学用のでしょ?」 それから一緒に買い物をして。 何度もお礼を言われて別れた。 けど、連絡先は聞けなかった。 だから、数日後再び彼女が俺の家に来たときには驚いた。 しかも菓子おり持ってお礼に来るとは。 そのギャップに完全に堕ちた。 そっからは、暁さんが男に慣れていないのを良いことに、押しに押して 入学式前には恥じらいながら交際OKの返事を貰った。 *****
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