第3話 幼馴染みでいいから

幼馴染みでいいから

足早に歩いていく学の背中を見ていると、昨日からの学はそれ以前とは態度が全然違うことに気付いてしまう。

いつもは、あたしの帰り支度ができていないときは、隣の席に腰かけて待っていてくれるのに。

あたしの歩くスピードに合わせて、隣に並びながらゆっくりと歩いてくれるのに。

こうやって背中を見て歩くことはない。

こんな風に、あたしがいることも忘れていそうな行動に、物凄く胸が痛くなる。

もしかして、これが幼馴染みからセフレになったってことなの？

そんなの嫌だよ。

付き合いたいなんて言わない。

幼馴染みでいいから、今までのように接してほしいよ。