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「怪しさ満載すぎてなー。
とりあえず森の名前は?」
「んー知らない。」
「森の審判と番人については?」
「知らない。」
他にも質問されたけど全部知らないことなので知らないと答えた。そのたび目の前のお兄さんのこめかみに青筋たててるのがはっきりとしていった。
「最後に聞こう
この世界の名は?」
「知らなーい。
それ聞かなきゃなーって思ってたけど忘れてましたー。」
あっブチっていった。完全に怒ってますね、お兄さん。
ふむ……
俺は刃物に手を触れた。魔力を流し込む。
刃物はただの砂になって下に落ちていった。
「俺ここの世界の人間じゃないんだよねー。つまりこの世界について知らないんだよねー。」
するりと抜けだして目の前に立つ。
「異世界だと?!
異世界から来るのは勇者しかありえないと聞いたが……。」
頭を抱えているお兄さんは混乱しているようでぶつぶつ話していた。この人からお話聞きたいなー。
「お兄さんイケメンだねー。お名前はー?俺はねー名前ないんだよー。」
おちゃらけた感じで話しかけてみた。これ真面目に話すと俺同情されるみたいで嫌だからねー。
「名前は異世界の時にもあったんじゃないのか?」
「俺記憶欠落してて自分のことは全く覚えてないんだよねー。」
そう言って笑うとイケメンお兄さんはというと俺の頭に手を乗せて撫でてきた。
俺は訳が分からず目を見開いた。
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