魔族との出会い

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名前ねー。魔女と呼ばれるのはなんだか嫌だし。お兄さんが名前つけてくれるかなっと思ってワクワクしながら見つめた。 「ほらお兄さん早く早くー。」 名前つけられるのって楽しいなー。お兄さんが一生懸命選んでくれてるのを見てニコニコしていた。 「そうだなー 適当に思いついたのでいいか?」 「うんどうぞー 気にいるかどうかは分からないけど。」 「じゃウルってどう?」 俺はお兄さんから提案された名前を聞いて考える。今まで聞いた中で一番これだ!!って感じがする。 ウルっていい名前だなー。 「どういう経緯でそうなったの?」 「あー、安直だけどこの森の名前ウルロギルスって名前だからそこから名前とったんだよ。」 お兄さんが申し訳なさそうに頭を下げてぽりぽり顔を掻いていた。この森の名前初めて知ったよ。トトとヒワタリがあんまりここの世界の知識を教えてくれなかったから。俺をこの森から出さないようにしていたことは薄々感じてた。ウルロギルスの森は1度入ると出ることは不可能に近いらしい。 「主には相応しいのではないか?この森に選ばれた人間だからな。」 「主はウルロギルスの森で珍しく生き延びれた人間だからねー。」 トトとヒワタリが褒めてくれた。ふふ、俺自身このウルロギルスの森は好きだ。 「ありがとうお兄さん 今日からウルって名乗らせてもらうねー。」 安直だとお兄さんは言ったけどそのシンプルさが俺は好きだ。口角が自然と上がっているのが分かった。 お兄さんに向かって微笑むとお兄さんはこっちを見たまま硬直した。え? そのあと耳から赤くなって顔全体が赤くなっていった。 「ヒワタリヒワタリ固まっちゃったよ?」 「主は罪作りな男だねー。」 ヒワタリが楽しそうに言うので首を傾げた。ふむ、分からないや。 「あっお兄さんの名前聞いてないや。」 聞こうにもお兄さん固まってるし。 何秒間かたつとお兄さんがぶつぶつ呟いてた。やたら笑顔天使と聞こえたが、聞こえなかったことにしておこう。
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