最終話

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 私は閑静街を脱出し、公園を通り抜け、隣接する林の中にいた。  鼓動は高鳴り、喉はカラカラだった。  もう何年履いているかも分からない、ボロボロのサンダルが砂を掠める音が響く。  枯れた笹の葉を、両手で必死にかけ分けながら、サイレンの音が届かなくなる距離を目指して、一目散に走っていた。
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