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『なんでも屋』
その名の通り、“依頼されたことはなんでもこなす”それが一家代々受け継がれてきた由緒正しい(らしい)家業である。
江戸時代以前受け継がれてきた家業も時代と共に変化し、蟹工船からセレブのエスコート、大学教授の助手から宿題の肩代わり、遂には海外へまで進出するようになった。
秘密主義の知る人ぞ知るこの『なんでも屋』は基本身内で固められるため、常に人手不足だ。
仕事の良さから需要と供給が成り立っていない。
そんな多忙な家業なのである。
そのため『なんでも屋』一家に産まれ育った者はその立場ならではの仕事をする所謂即戦力だ。
小学校時代はママ友のスパイ。
中学校時代は皇族の方と同級生になり護衛役。
などなど、幼い頃からなんでも屋といてのイロハを身に付ける。
高校となると自立のため自分で仕事を選ぶようになり、高校卒業と共に晴れてなんでも屋の一員として認められる。それがなんでも屋という家業だ。
とは言っても 江戸から続く家業。身内の数は数えきれず、秘密主義から構成員の数が決まっているが一人減れば一人足す。
行きたい道があるなら大いにそれてよし。
それが一族“高橋”。 なんでも屋である。
つまりは器用貧乏の集まりであり、そんな一家に産声をあげたのが 高橋 皐月 (たかはし さつき )である。
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