こうげつと書いて皐月です。

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ドンドン と壁を叩く なぜなら呼び鈴を押しても反応がないからだ。 寮を入るまでは理事長にもらった学生証でクリアできたが、そもそも自分の部屋も知らなければ鍵も持っていない。 そこで入ってすぐの寮長の部屋にきたのだが… 出てこない!なんでだ!! …もしかして、授業中か…?! え、じゃあなに、僕ずっとここにいんの? 無理無理!坂登ってきたんだってば、休ませてよ! 「あのー!!すいませーーーん!!!寮長さんーーー!!あのっ」 ドンドンドンドンドンドン そこまで喚いてやっと人が出てきた。 「なぁにィー。すっごくうるさいんだけド。雰囲気ぶち壊し。」 そう言って出てきたのは上半身裸のイケメン。 上半身裸の!? 「うっわ!なにしてるんですか!」 「なにって、ナニ?」 「は!?」 開けられたドアの向こうから事後ってかんじの臭いが…。 こいつ!!女連れ込んでんの!? うわーないわーって顔がバレたのか、ニヤッと男が笑う。 「あーそっち系の人?めずらしい。俺味見しとこうかな?」 そう言ってグイッと迫ってくる男 「いや、意味わかんないんですけど。僕は寮長さんに用事があって…」 「あー俺に何か用?」 「え、寮長さんて、あなたなんですか」 「そうだよー。俺こそ寮長ミヤビちゃん。」 はぁ…ミヤビさんですか… こんな如何にもちゃらんぽらんな奴に寮長とか大丈夫なのか?この学園。 …大丈夫じゃないから俺が呼ばれたのか…。 いや、そんなこといいから。 「僕、今日編入してきた高橋 皐月です。鍵を貰いに来ました。」 はやく部屋行きたい。 「は?今? 約束の時間と3時間も過ぎてるけど」 俺てっきり明日くるんだと思ってたわーと言いつつ奥から鍵を持ってきてくれた。 その間に事の経緯を説明すると腹抱えて爆笑されたけど。 「俺、あの坂自分で登ってきたやつ初めて見たー!!あっはははは!!」 …なんかイラつく。この人! 「まぁ、困ったらいつでも言ってネ。今日はゆっくり休みなー」 あ、案外いい人みたい。
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