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「悠月さんってば……」
「もう知るか!勝手にしろ!」
東堂さんが匙を投げたその時。
イベント開始のブザーが鳴った。
「大丈夫。警備もしっかりしてるし、それに僕たちは男じゃないか」
「ココ……」
飄々と躍り出て
悠月さんの肩を抱いたのはココさんだった。
「女性ファンの1人や2人に手こずっていてどうする?」
「1人や2人じゃないよ」
ちらり――悪戯に愛理が幕を上げると
バッカスの登場を待ち兼ねている
千人単位の女の子たちが一斉に黄色い声を上げた。
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