第11章 ボディーガード②

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初めて生で見た。 バッカスのステージ。 歌い踊るメンバーのカッコよさは 圧巻だった。 「凄いだろ。いつものあいつらを知ってるからこそ、俺もいまだにそう思うよ」 さんざん振り回され 疲れ顔で近づいてきた東堂さんが ステージ袖に立ちつくす僕の肩を叩いた。 「あいつらは本物のスターだよ」 そう言うと どこか誇らしげに口端を歪める。 「はい……」 あの人たちが舞台に立つと ステージ裏の出来事なんて 全て無に返るんだ。 ドキドキして震えが来た。 たしかにいつものあの人たちを知ってるだけに――。
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