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何事も起こらないまま
キラキラと楽しい時だけが過ぎ――。
気づけば
握手会の長い列ができていた。
「頼むぞ。悠月の列から目を離すな」
「了解しました」
マネージャーに仰せつかった僕は
アルバイトの警備員に紛れ込み――。
目深に帽子を被って
悠月さんのすぐ傍らに立っていた。
ここなら何かあればすぐ飛びだせる。
しかし――。
見たこともない長い行列は
ともすれば失神しそうな
熱狂的なファンの女の子ばかり。
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