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「来ないで!」
僕を人質に取るような形で腕に抱き
彼女は立ち上がった悠月さんにナイフを向ける。
「加々美悠月。あんたが悪いのよ!あんたさえいなければ実くんはこんなとこにいない!私の近くにいたんだ!」
錯乱してる。
だけど真実だ。
「私の実くんを、あんたが引っ張って行った……」
ずっと僕を見ていた人がいたなんて
ちっとも気付かなかった。
だけど彼女は気付いてた。
僕が悠月さんばかり見ていたこと。
悠月さんしか目に入っていなかったこと――。
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