第11章 ボディーガード②

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「あれ、あの人……!」 「ミイちゃんだ」 ナイフを持った女に捕まっているのが バッカスの世話係だと分かって。 会場はもっとどよめいた。 どよめきが彼女を刺激する。 「んっぐっ……!」 ナイフを持ったまま僕の首を抱えた腕が これでもかってくらいに締め付ける。 「そうだ。俺が悪い――悪いのは俺だ。だからミイを放せ」 苦しげな僕の表情に気づいたんだ。 「悠月さんっ……!」 悠月さんは両手を上げた降参のポーズで そっとその場に膝をつく。
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