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「あれ、あの人……!」
「ミイちゃんだ」
ナイフを持った女に捕まっているのが
バッカスの世話係だと分かって。
会場はもっとどよめいた。
どよめきが彼女を刺激する。
「んっぐっ……!」
ナイフを持ったまま僕の首を抱えた腕が
これでもかってくらいに締め付ける。
「そうだ。俺が悪い――悪いのは俺だ。だからミイを放せ」
苦しげな僕の表情に気づいたんだ。
「悠月さんっ……!」
悠月さんは両手を上げた降参のポーズで
そっとその場に膝をつく。
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