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昨夜の騒動で割れたガラス越し
僕は悠月さんだけを一心に見つめて――。
まるで自分の気持ちをぶつけるように
拳を突き出し蹴りを繰り出した。
「いいね。続けて」
「……え?」
いつの間にか
『バッカス』の撮影クルーが
稽古に熱中する僕を撮影していた。
「すみません、危ないんで離れてて下さい……」
本気だったんだ。
カメラにどう映るかなんてお構いなしに
僕は無愛想に言い放って稽古を続けた。
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