第11章 ボディーガード②

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昨夜の騒動で割れたガラス越し 僕は悠月さんだけを一心に見つめて――。 まるで自分の気持ちをぶつけるように 拳を突き出し蹴りを繰り出した。 「いいね。続けて」 「……え?」 いつの間にか 『バッカス』の撮影クルーが 稽古に熱中する僕を撮影していた。 「すみません、危ないんで離れてて下さい……」 本気だったんだ。 カメラにどう映るかなんてお構いなしに 僕は無愛想に言い放って稽古を続けた。
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