第5話
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「……」 『これ以上』が欲しくて堪らなくて、ゆっくりと、彼の首に両腕を回した。 …――が、しかし。 「あ。雛森、お風呂入るでしょ?ホテルでは軽くシャワーを浴びただけだろうから」 突然唇を離した彼は、顔を傾けたまま突拍子もない質問をする。 「……」 この、回した腕をどうしてくれよう。 身体を密着させ、首に両腕を絡めたまま、超至近距離の彼の顔を無表情で見つめた。
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