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「……神崎くん」
ベッドの横に立ち、小さな声で彼を呼んだ。
「……」
返事を返す代わりに聞こえてきたのは、静かな寝息。
「神崎く…」
きちんと肩まで布団を被り、横向きで眠る彼。そのすぐ側に手をつき、寝顔を覗き込むようにして、もう一度名前を呼んだ。
「……」
着替えてるし。
私がバスルームに向かうまでは、キチッと着こなしたスーツ姿でベッドに腰かけていた。
それが部屋に戻ってくると一転。
呼びかけても反応がなく、スヤスヤと熟睡している彼は、見たことがない紺色のパーカーに着替え、私のベッドに勝手に潜り込んでいた。
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