第5話

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「……神崎くん」 ベッドの横に立ち、小さな声で彼を呼んだ。 「……」 返事を返す代わりに聞こえてきたのは、静かな寝息。 「神崎く…」 きちんと肩まで布団を被り、横向きで眠る彼。そのすぐ側に手をつき、寝顔を覗き込むようにして、もう一度名前を呼んだ。 「……」 着替えてるし。 私がバスルームに向かうまでは、キチッと着こなしたスーツ姿でベッドに腰かけていた。 それが部屋に戻ってくると一転。 呼びかけても反応がなく、スヤスヤと熟睡している彼は、見たことがない紺色のパーカーに着替え、私のベッドに勝手に潜り込んでいた。
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