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「……」
『父親とゴルフ』ということはつまり、『神崎グループを束ねる社長とゴルフ』ということ。
そう言われたら、さすがの佐藤くんだって無理に引き止めるわけにはいかない。
いい言い訳を見つけたもんだ。
とは思ったものの、それを口にすることはせず
「忘年会やった店。なかなか良かったけど、俺もフグ食べたかったな」
「……」
右にハンドルを切りながら呟く、彼の嫌味なひとり言を無視した。
「行こうか。今度」
「待ち伏せなんて二度としない。って誓うなら」
サラリと口にした誘いの言葉。助手席側の窓に視線を移しながら上手くかわして彼の手を封じる。
「そっか。じゃあ無理だね」
「……」
『開いた口が塞がらない』とは、まさにこのことだと実感した瞬間だった。
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