第5話

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はぁ……と軽く溜め息を吐き、車から降りる私。 エンジンを止めて運転席から降りると、後部座席のドアを開け、荷物を取り出す彼。 「……」 ただ送るだけなら、車をコインパーキングに入れる必要なんてないのでは? 疑問に思ったものの、……何か別件で用があるのかもしれない。と考え方を変え、後部座席のドアを閉める彼に、「じゃあ。どうもありがとう」と声をかけた。 「どういたしまして」 荷物を手にした彼はニッコリと微笑む。 「……」 それを一瞥した私は、彼が動き出す前に背中を向け、足早にその場から去ることにした。
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