10 #2

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ーーータツヒコーーー 今にも眠ってしまいそうな顔の春野を引き寄せて額に唇をつけた。 閉じた瞼を通って目尻をそっと舌先でなぞると、シャンプーの匂いが、鼻をくすぐる。 我慢できずに、首から胸、腰、足まで唇で印を刻む。 太ももの柔らかい所に跡が付きそうなくらい歯を立てた。 脚の間から、俺を誘う香り。 引き寄せられるように顔を近づけて、春野の味を確かめる。 差し込んだ舌先に絡みつくような蠕動。 オレの唾液と春野の蜜が混ざり合って、糸を引いてシーツに落ちていく。 ささやく様な春野の喘ぎ声が俺を呼んでいるようだ。 そっと体を割り入れて、春野の膝を抱えながら左右に開く。 開いた唇の間から覗いた舌に誘われて、押し進んで行く体。 胸と胸を重ねるように覆いかぶさって、春野の舌を探す。 お互いの舌先を絡めてから、歯列の奥を辿った。 喉口に向かって粘膜を舐め上げると、春野の体がゆるゆると柔らかくなっていく。   俺を離さない、熱くて蕩けた体。 夢中になって俺の舌を喰っている。 上顎の粘膜を舌で擦るたびに、春野の内(なか)が俺を引き絞る。 押しつぶすように体重を掛けながらも、体を動かさずに、お互いの口を、舌を、混ぜ溶けるまで合わせる。 もう少ししたら、春野は我慢できずに言うだろう。 『動いて。』 『タツヒコさん。』 『お願い、もっと。』 春野の脚が腰に絡んで、背中を這う掌が肩に辿り着く。 舌を齧られながら、春野が喉だけで啼き続ける。 舌を上下の歯でシゴいたあとで、唇を離し、春野の顔を見た。 汗ばんで艶の出た額と、唾液で濡れた唇。 涙の溜まった瞳で、俺を見ている。 ダメだ、我慢できないのは俺のほうだ。 押し付けたソコをグリッと潰すように力を入れる。 「春野、どうしたい?」 「疲れた?眠いか?」 「言えよ。」 脇腹を撫でながら、耳を春野の口に寄せた。 小さな囁きが、俺の脳に届く。 「一緒に。」 「一緒に?どうするんだ?」 「動いて、イキたい。」 言いながら、俺の耳を甘噛みして、首に舌を這わせる。 「タツヒコさ・・・」 言い終わらないうちに、俺の体は弾けたように動き出す。 ガツガツと深く打ち込みたいのを我慢して、浅めのソコを、擦るように動く。 “一緒に、イキたい。” 春野の言葉がクスリの様に効いてくる。
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