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赤いルージュ。 くっきりと、鮮やかに春野の口に載せられた色。 もう、春野の口にその名残はない。 俺の体に色を残し、俺の舌に乗り口の中に入り、飲み込まれてもう消えた。 俺に跨って、向かい合う春野の胸に光る石。 縦に連なる3つの石に沿って、紅い印を刻む。 こんな石ころよりも、すぐ近くにある、この赤い実。 胸の先でコロン、と形作って、俺を誘ってる。 舌先でつついて、息を吹きかけた。 春野の毛穴が反応する。 俺の首に腕をまわしていた、のけ反り気味の体がしなる。 逃がさないように、腰骨から恥骨に向かって、強めに押しながら手の指を移動させる。 春野の弱いトコロ。 俺に差し出すように胸を突き出しながら、腰を揺らし始める春野。 思い通りの反応に、笑いが漏れる。 春野が、我慢できなくなるまで、唇で胸を遊ぶ。 俺の腿を濡らして、オレを欲しがるソコの感触。 毛がないだけで、こんなに違うのか。 皮膚の感触や、濡れて滑る様子に、オレも春野も昂ぶっていく。 俺がサルなら、春野、お前もサルだ。 サル同志だから、死ぬまでヤルしかないな。 絶え間なく聞こえる春野の喘ぎが、人の声から遠ざかっていく。 猿どころじゃねえな、獣だ。 俺の声を聴く余裕など、とっくにない春野の耳に囁く。 「春野。アイシテル。春野。」 「俺をアイシテルと言ってくれ、春野。」 悲鳴のような声をあげて春野が果てるまで、俺は囁き続けた。
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