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そして、そもそもの始まり。
春野が玄関で見せた不審な態度。
帰ってきた俺が、いつも有無を言わさず春野をベットに引きずり込むので。
少し控えてもらいたい、と言いたかったらしい。
一旦靴を脱いで部屋に入ると、話すタイミングがなくなるので、真っ先に言ってしまおうとした。
だから、玄関先でとどめたのだ、と。
古泉の誘導尋問に、あっさりと引っかかって春野がそれをばらしたものだから、皆はますます面白がって、ヨウジ達にも話を広める。
全く自分らしくない。
ありえないような思い違いをして。
醜態をさらして、周りにばれて。
いいように冷やかされている。
けれど、それもそう悪くはない、と思ってしまう。
怪我をした春野を介抱して、優しく抱いた。
差しさわりのないように工夫して、今までシタことのない、新しいやり方を知った。
春野は夢中になって、少し許してくれた。
それにしても。
もう少し体を鍛えておくか。
『次はぜったい倒してやるから。』
春野の宣言を思い出して、俺はまた一人で笑っていた。
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