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俺は驕っていた。
春野が、秋実でなく俺を選んだと思った。
秋実の罵声を背中に、まっすぐに俺に向かって歩いてきた春野。
俺は春野の全てを手に入れた気になっていた。
安心と慢心で、勝手に思い込んでいた。
春野は俺の気持ちを理解して、受け入れていると。
俺を好きだと言ってくれた春野。
俺のためなら何でもやると言った。
俺に押し付けられた一方的な自己満足を、反発もせずに受け入れた。
受容と諦めは、まったく別のものだ。
元気がないのは、秋実のせいにして、タイやコウの心配は一笑に付した。
諦めと恐れからくる春野の従順さに満足していた。
俺は、春野を壊すところだった。
いや、もう許されない位傷付けた。
春野が秋実を捨てたように。
春野が俺に別れを告げる時が来るかもしれない。
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