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『ただ見ているだけでは駄目だ。さりげなく会話や質問をして、情報を集めろ。』 ダメ出しをした後で、カズとテツに、“ハルちゃんの観察方法”を事細かに伝授してやった。 ついでに電話で、タイとコウにも心得の一部を伝えておく。 「さすが、ハルちゃんマスターですね、ヨウジさん。」 「お前たちとは、経験値が違うからな。」 「ハルちゃんて、昔からメンドクサイ系?」 「おい、言葉に気を付けろ。」 「スミマセン!」 「ハルはな、複雑で、奥が深いんだよ。」 「はあ。」 「まあ、あれだ、ハルを上手く制する者は、世界を制す、だ。」 「確かに。」 カズがうんうんと納得する。 「そんじゃ、俺は、ラスボス退治に行ってくるわ。連絡するまで、ハルは寝かしとけ。もし目が醒めて帰るって言ったら、俺がタツヒコに話しつけてあるから待てって言えばいいさ。」 「タイとコウにも、遅くなるって言っとけよ。」 「了解です。」 ちょっと目を離すととハルは困ったチャンになるし、若い奴らは使えねえし、タツヒコは問題外だし。 俺は隠居する暇もねえ。 今日は本気でタツヒコをシメるか? アイツも結構強いし、返り討ちか? お父さんは頑張るよ、ハルノちゃん。
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