19人が本棚に入れています
本棚に追加
「タツヒコ?」
我慢できずに、薄暗い道の真ん中でキスをする。
腰と頭を押さえて、春野を逃がさない。
春野の唇は甘い。
蜜を吸う蜂のように、俺はやめられなくなる。
控えめに応えていた春野の舌が、俺を追いかけて差し出される。
吸い上げて、絡めあげて、唇で催促した。
歯列を辿った後で、俺の舌の裏側にぬるり、と入り込んでくる春野。
体中が、春野の舌の感触を求めて暴れそうになる。
家まで持たない。
迷わず俺は、近くに見えるネオンを目指して歩き始めた。
コンビニの前で春野を待たせてゴムを買い、最初に着いたホテルに入った。
珍しそうに部屋を見回す春野を後ろから抱いて、耳たぶに乞い願う。
「春野。」
「嫌か?」
「春野?」
反応を伺いながらも、俺は既に春野のコートを脱がせてしまった。
セーターの上から確かめる胸の重さ。
春野が“No”と言えば、俺はもう動けない。
「嫌ならここには来ないよ。」
振り返って、ネクタイに指を滑らせてから、ほどいていく春野。
俺は体を差し出して、ごくりと唾を飲み込み、命令を待つ。
俺を見つめる、黒い瞳に吸い込まれそうになった。
「キスして。まだ足りない。身体じゅう全部にキスして。」
望みの通りに。
裏と表と。
前と後ろ。
外とナカ。
「春野。言ってくれ。」
乞い続ける俺と、与え続ける春野。
「もっと、ココに。」
脚を開いて、俺に示す。
全て望みの通りに。
囁くような春野の喘ぎ。
ぴったりと吸い付くような春野のナカで、揺れて溶ける。
「春野。愛してる。アイシテル。」
喘ぎが啼き声のようになって、春野はもう俺を聞いていない。
しっとりと汗ばんだ肌と、痺れるような匂い。
肩に乗せた脚、ふくらはぎを舐める。
春野の味がした。
最初のコメントを投稿しよう!