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「あ、ルイスのも発見!読むよー?」
シャルの呟きをあえて流し、ハロルドは青色の短冊を読んだ。
「あいな様がシャル様と共に永遠の幸せに守られますように。ルイス=フォクシード」
「…………」
「だって、シャル」
放心しているシャルに、ハロルドは困ったように笑いかけた。
「これを書いた時のルイスの気持ち、僕には分かるよ。あいながルイスに関する願い事をしなかった理由も、ね」
「俺には分からない。あいなとルイスは仮の恋人になったと、たしかにそう言っていたのに……」
自分が身を引けば、あいなは迷わずルイスの手を取り幸せになる。シャルはそう考えていた。
「今日、あいなとルイスは、最初で最後のデートをしたんだよ」
ハロルドは二人の気配を読み、言った。
「ルイスの元に行こうよ。彼は今、あいなと別れて一人で居る。ここからわりと近い場所で」
「ルイス……。あいな……」
ハロルドの意味深な言葉の意味を理解できないシャルは、引っかかりを感じながらルイスの元に向かった。
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