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ルイスの首には、あいなとお揃いで買った桜色の石が静かに輝いている。それを片手でそっと包み込み、ルイスは目を閉じた。
「仮の恋人は仮でしかありません。それに、私はこれ以上何も望まないと決めました。この先誰の手を取るのか、お決めになるのはあいな様です」
そんな表面的なことではなく、もっと深い部分について知りたい。シャルはそう思うのに、それ以上立ち入らせないと言うようにルイスは無言で壁を放った。
ハロルドは悲しげな顔で黙って二人の会話を聞いている。
「あいなは死ぬかもしれない……。ハロルドにそう知らされて、いてもたってもいられなくなった」
「アンコンシアンス・マレディクション。あいな様はそういう精神病にかかってみえます」
「アンコンシアンス・マレディクション…?聞いたことのない病名だ」
医者にも深く知られていない稀な病。医術に詳しくないシャルには全くその知識がなかった。
「近頃あいなの体調が不安定だったのは、催眠剤のせいではなかったのか?」
「あいな様が体調を崩したり悪夢を見たのは催眠剤の影響で間違いありません。アンコンシアンス・マレディクションの症状が出たのはシャル様に別れを告げられた直後のことです。いいえ……。厳密に言えば、カロス様にエトリアの指輪を外された直後からだと考えられます」
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