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アンコンシアンス・マレディクションの発症例や治療法など、ルイスは知りうる限りのことをシャルに説明した。その上で、エトリアの指輪が関係する理由を話した。
「シャル様も充分ご存じの通り、エトリアの指輪には夫婦間の絆を強めると同時に互いを護り合う効力があります。あいな様が催眠剤の影響に屈しなかったのもエトリアの指輪の護りがあったからでしょう。しかし、それを途中で外すことになってしまった……。調べたところ、そのような前例はひとつもありませんでした。代々カスティ家で夫婦の契(ちぎ)りを交わした男女は、自然死以外の理由でエトリアの指輪を外すことはなかったのです」
「エトリアの指輪がこんな風に変化したのも、あいなの指から強制的に指輪を外したせいなのか?」
「そうだと思います。エトリアの指輪を彩る透明の石。その青い輝きは未来への希望。それが途絶えることは夫婦の未来も閉ざされたも同じです」
エトリアの指輪を外したことで、あいなはアンコンシアンス・マレディクションを発症することになってしまったとルイスは考えた。病ではなく呪いだとすら言われるこの病気は死亡率が高い。悲しくもハロルドの占いは当たってしまったということになる。
「どうしたらあいなの病を治せる!?性交渉以外で何か方法はないのか……!」
「……シャル。もう、そんなことを言っている時間はないよ」
それまで黙って話を聞いていたハロルドが意見を述べる。
「カロス様の許可がおりたって、あいなの命がなければ君達の結婚は成立しないんだよ。二人で幸せになると決めたんでしょう?」
「だからって、そんな、抱くなんて……」
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