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シャルは真剣だった。歯をくいしばり、想いを語る。
「あいつのそばにいてそういう気が起こらなかったと言えばウソになる」
あいなの匂いが空気を漂い、食事の時に彼女の唇が潤う。柔らかい頬が赤く染まる。そんなあいなの姿を見るたびに、シャルは何度も彼女を抱きたい衝動に駆られた。深く口づけをして体中を愛撫し、湿った音を立てて何度も激しく彼女の奥を貫きたいと――。一糸纏わぬ姿でこちらを見つめ、甘くなまめかしい声で鳴くあいなの姿を想像してしまう夜もあった。
「その気になれば、俺はいつでもあいなを抱ける。たとえあいなが俺を好いていないとしても……。男はそういう生き物だ。相手の気持ちを確認しなくても体を求めることができる性別だ。だからこそ、あいつとは気持ちが繋がってからそういうことをしたい。あいつが俺を求めてくれるまで待ちたい。女性はそういうのを大切に考えるものだと、あいつの持ってる恋愛コミックにもあった。俺もそう思う。あいなだってきっとそうだ。俺の勝手であいつの心身を犯したくはない。一生をかけて大切にしたいんだ……」
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