10 永久(とわ)の誓い

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 ルイスの秘密主義は今に始まったことではないが、まだ何か隠されているのではないかと無駄に疑ってしまう。そんな気持ちを胸に押し込め、シャルは尋ねた。 「リバイバルと言ったか。それはどんな魔法なんだ?」  一拍の間を置き、ルイスは平らな声で告げた。 「リバイバルは、壊れて機能しなくなった物体を元の状態に戻す魔法です。他の魔法と違うのが禁断と言われる所以(ゆえん)です」 「普通の魔法とリバイバルはどう違うんだ?」 「普段使う魔法は個々の魔力依存ですが、リバイバルは代償を必要とします」 「代償……?」  シャルとハロルドは不安げにルイスを見つめる。 「大切な想いを心から抜き取ると同時に、直したい物の価値に見合った命を削る。それがリバイバルを発動させる絶対条件になります」 「それってつまり、ルイスの命を犠牲にエトリアの指輪を元に戻すってこと?」  ハロルドは青ざめ、動揺した。シャルは、その存在を確かめるかのようにルイスの肩を強くつかんだ。 「それだけじゃないよな?リバイバルを使う魔法使いの心から大事な想いを抜き取るって……。それって……!」
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