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「……報われないのに、なぜそんな穏やかでいられる?」
「あいな様に出会わなければ私はリバイバルを発動させることは出来ませんでした。彼女を好きになれたからこそエトリアの指輪を修復できるのです」
「はじめからそのつもりだったのか?」
「…………夢の時間は終わりです」
ルイスは立ち上がり、座ったままのシャルを見下ろした。
「シャル様。今ここで誓って下さい。リバイバル発動後、私の心身にどのような変化があっても動揺することなく今まで通りあいな様を愛しぬき、護り、生涯をかけて幸せにすると」
「そんな……!」
誰かの犠牲の上に成り立つ幸福。シャルの目指していた未来はまさにその一言に凝縮されていた。
「あいなを好きになったことは間違いだったのか?こんな風になるなんて……。俺は……!」
涙を流し、シャルは唇を震わせた。頬が熱くなる。
リバイバルが発動されエトリアの指輪が元に戻ったらあいなは助かるかもしれないが、ルイスは寿命を何年か削られあいなへの恋愛感情を失ってしまう。それに、そんな代償を払ったってあいなが確実に助かるという保証もない。
(シャル。君の答えはすでに決まっているはずだよ)
ハロルドは神妙な面持ちで二人の様子を見守った。
「…………俺は…!」
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