10 永久(とわ)の誓い

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 儀式の間に着いたハロルドは、その空間独特の荘厳さも気にせず、ルイスに伝えた。 「あいなの気配(オーラ)が完全に消滅してしまったよ」 「シャル様の許しを待つ猶予はもうありませんね。決行します」  祭壇の中央で右手を真上に振り上げ、ルイスはリバイバル発動の呪文を口にした。 「我が想いを削りてエトリアの指輪をあるがままの姿へ。アニマ、グァリジョーネ、アモーレ、ポルジェーレ、エテルノ、スペルビア――」 「やめろ、ルイス――!」  ハロルドを追ってシャルが儀式の間に駆け込んだ時、ルイスはすでに呪文を唱え終えリバイバル発動の条件が揃ってしまっていた。  ルイスの体から青い炎のような光が立ち上ぼり、それと同時に、ついさっき消えたはずのエトリアの指輪がシャルの左手薬指に戻った。そしてもうひとつ、あいなのための指輪も。  シャルは動揺し、元の青い輝きを取り戻した指輪とルイスを交互に見つめた。すぐにルイスの元へ駆け寄ると、 「ルイス……!大丈夫か!?体は何ともないか?」  ルイスはしばし無反応だったが、シャルに体を揺さぶられているうちに元の状態に戻った。 「……シャル様。リバイバルは成功したようですね」  ルイスの記憶は元通りだった。あいなへの恋心を忘れてしまったということ以外は……。シャルの指に光る指輪を見て、ルイスは穏やかにうなずいた。
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