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「どうしてあなたがこんなにも苦しまなくてはならないのですか?出来るものなら私が代わってあげたい。あいな様…!」
ルイスは治癒魔法を止め、あいなの頬にそっと手のひらを添える。リバイバルによって忘れたはずの恋心が再燃するのを感じながら……。
移魂の儀を無事に終えエトリアの指輪は元に戻ったのに、あいなは助からなかった。リバイバル発動のタイミングは最適だったし、遅すぎたということもない。なのになぜ。
「あいな、目を開けろ!俺達はまだ始まってすらいないんだぞ!?」
あいなの返事はない。穏やかな顔で眠ったように倒れる彼女の姿は、血の赤が映(は)え奇妙なほどに美しかった。
あいなを見つめる三人の胸には、彼女との日々が鮮明に流れていた。
涙をこぼし、シャルは叫ぶ。
「こんなはずじゃなかった!」
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