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『よく頑張りましたね』
「……っ!」
シャルの頭の中にエトリアの声が響く。もう決して聞けはしないと思っていた祖先の声。
「エトリア様!?」
『指輪が再生したおかげで、再び私の意思をあなたに飛ばすことが出来ています。よくやりましたね。エスペランサを救ってくれて本当にありがとうございます』
目を見張り、ルイスとハロルドはシャルの様子に注目する。ハロルドは小声でルイスに説明した。
「シャルはさっきも、指輪の魔力を通じてエトリア様と会話していたみたいだよ」
「指輪にそのような効果が?」
驚きつつも、その現象にわずかな希望を感じ、ルイスはシャルを見守った。
『シャル。あなたの魔法はただの攻撃手段ではなく、他にはないあたたかさがあった。その強さと深い愛情でエスペランサの魂を浄化することが出来たのです』
「なのになぜ、あいなはこんな状態になってしまったのですか!?」
『あなたの想いの強さがあいなさんを苦しめている……。エスペランサの魂がその体から抜けたと同時に、あいなさんは心の中に大きな砦を築いてしまったようなのです』
「砦、ですか!?」
『中庭の泉に行きなさい』
エトリアの泉にあいなを助ける切り札がある。エトリアはそう告げた。
『あいなさんを想うあなた達の心が泉に共鳴した時、彼女の心の砦に対面する機会が得られるでしょう。砦を崩せるかどうかはあなた次第ですよ。シャル』
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