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エトリアの声が消えてすぐ、シャルはルイスとハロルドに告げた。
「エトリアの泉に向かう。悪いが、二人ともあいなのことを頼む!」
「エトリア様は何とおっしゃっていたのですか?」
「泉に俺達の想いを示せば彼女を救えるかもしれない、と」
「それなら僕達も行くよ」
ハロルドは微笑した。
「エトリア様は『あなた達の想い』と言ったんでしょう?あいなを想う人は多ければ多いほどいいんじゃない?効果が強くなりそうで」
ハロルドはルイスの方を向いたが、ルイスはためらった。
「同行したいのはやまやまですが、このような状態のあいな様を置いてはいけません」
「それなら問題ない」
出入口には、よく見知った者達の姿があった。ヴィクトリアとクロエ、そして、エルザである。
「どうしてお前達がここに!?」
シャルが驚くと、ヴィクトリアとクロエは呆れたように笑った。シャル達は気付いていなかったが、この場所が崩壊したことで城内の人々はひどく混乱しているらしい。
「シャル、今日が自分の誕生日だってこと忘れてない?」
「騒ぎを聞き付けて来てみればこんな所に居るなんて……。あなたのパーティー、もうすぐ始まるわよ」
よく見れば、二人はパーティーに相応しい華やかな格好をしていた。
「そうだったな……。すっかり頭から飛んでいた。にしても、なぜエルザまで?」
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