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でも、誤解しないでほしい。殺すつもりなんて僕にはこの時点ではこれぽっちもなかったんだ。
言い訳がましいかもしれないが単にアイツらが僕に手出しできなくなるように痛めつければいいのだと思っていたからだ。
しかしこの浅はかな考えが僕を狂気のピエロに変えていくとはその時の僕は考えだにしていなかった。とにかく僕の死期は9月8日。その日までに運命を変えねばならない。
障害であるアイツらを取り除けば本当に自分の死が回避できるのだろうか。
実のところ、まだ僕も試したことはない。通りすがりの誰とも知れない人の死期。そんなことを告げたとしても笑われるか、気味悪がられるかのどっちかで相手にもされないのがオチだ。
実際、忠告してみたこともあるが期待通りの反応だった。それどころかご丁寧に僕の両親にご忠告までしてくれる人もいた。
僕は馬鹿らしくなってそれ以来忠告はしなくなった。
所詮は他人の命。僕には関係のないこと。彼らの結末がどうなったかは言わずもがなだけど…。
とにかく、僕は自身の命を守るために戦うのだ。
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