1411人が本棚に入れています
本棚に追加
その夜は,夕飯もそこそこに,父も母も,子猫に夢中だった。
レモンたち先住猫3匹も,珍しい生き物に興味津々の様子だった。
「ねえ,この子たちは,黒猫?」
母がそう言うと、伊葉は子猫たちの毛色をじっと見る。
「もしかして,ブラックスモーク?」
そう言われれば,しましまもあるような,ないような。
顔を見るとそんな気もするな と伊葉も思い始めた。
それから竹内家は,子猫のこと,一色だった。
毎日,授乳が必要だったが,父も母も子猫のかわいさに授乳をしたがるので,伊葉の「子育て」は思ったほど大変ではなかった。
レモンたちも近づいてきては,子猫を舐めるようになり,子猫たちは,竹内家の家族として認められたようだった。
最初のコメントを投稿しよう!