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こんな紙切れ一枚で終わりだなんて。
私は激しく悔いていた。
永遠なんてものは存在しないんだと、あれほど心の中で言い聞かせていたのに、結局どこかで甘えていたのだ。
「さようなら」の5文字。
黒いペンで殴り書きされたそれは、あなたのいた痕跡を鮮やかに残すと同時に、どこか遠い国の、読み方すら分からない言葉みたいに見えた。
この冬一番の寒気は私の周りを取り囲むように吹きすさみ、あっさりと縁を絶ち切った紙切れを取り上げ、遠くへ運び去った。
馬鹿みたい。
白い夜には私の笑い声だけが木霊した。
風は私を嘲笑うかのように吹き続ける。
もはや残響が自分の声なのか、風の音なのかも分からなかった。
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