心に負った深い傷

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私と腕を組んだって、それは契約上の形式的なものでしかないのだろう。 恋人の関係を装うため、お互い仕方なくやっている事。 そう思えてしまうのは、やっぱり、私と秀臣の関係が偽装されたものだという自覚があるため。 だけど、先日私の家に泊まった秀臣は、私たち以外誰もいない自宅で自然なまま腕枕をしてくれた。 あの場で取り繕う必要はなかったはず。 だからこそ私は、彼の対応に淡い期待を抱いてしまったのだ。
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