多重猫の断り

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多重猫の断り

    「シュレディンガーの猫」 猫を、箱に閉じ込める。 働けば致死性の毒を放つ、装置と共に。 箱の蓋を閉めてから1時間後に蓋を開けて観測したとき、猫が生きている確率は50%、死んでいる確率も50%。 蓋を開けるまで、箱の中の猫は、生きている状態と死んでいる状態が1:1で重なりあっている。 ことに、なる。 我々は、生きている猫と死んでいる猫、この二つを認識できるが、二つが重なりあった状態を、認識することはない。 いくら適切で確実な実験だったとしても、観測して得られた実験結果は既に出た結果であり、本当に知りたい「重なりあった状態」ではない。 そのため、実験結果そのものには意味がなく、求める答えは得られない。 ここに、答えなんか、無い。  
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