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質素な六畳間、小さなテレビと棚がある。
真ん中には円卓。
隅には布団が一組敷かれている。
円卓を囲んで、四人の男達は一皿のピーナツをつまみに第三のビールを呑んでいた。
「今日は火傷したよ」
Aが腕に缶を押し当てる。
「俺は腹蹴られた。青痣出来てる」
Bが黒いピチピチの服を捲り上げると、見事な足形が腹の真ん中に鎮座していた。
Cは目の周りを腫らして、無言で缶を傾ける。
「お前ら、夜勤の俺の前で呑むなよ!!」
Dがビールに良く似たノンアルコール飲料の缶を握り締めながら叫ぶ。
B「いーじゃねーか、やっと一仕事終わったんだ、呑まなきゃやってられねーっての」
すると部屋の隅の掛け布団がすごい勢いで飛んだ。
「てめーら呑むなら違う部屋に行けよ!!
なんで俺のとこ?
四日ぶりの休みなんだよ、寝かせろよ!!」
Fが絶叫する。
A「すんません……」
B「居心地いいんだよ、ここ。綺麗だし」
D「確かにBの部屋は汚い」
B「だははは~」
F「いいからお前ら帰れ!!!」
寮生活の男達の唯一の楽しみ、それはささやかな晩酌である。
Fの絶叫を無視し、夜勤のDの都合も無視しながら、寮生の夜は更け行く……。
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