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私はカタカタと鏡を弄った。
……カシャン……
「あー、この音は……」
依代は覚えていたようだ。
「私と依代は聞いた事あるよね」
さて、私は鏡をスライドさせた。
レイン刑事が驚きながら言う。
「ううう……動いた」
「オバケより怖くないかもですよ」
「そんな事より急ぎましょ」
鏡のスライド式の扉を開けると
そこは明るく電気がついた
ポッカリとした空間があった。
「やっぱり、こちら側を
覗くだけなら大き過ぎるとは
思ったのよ」
どうやら地下に何かあるようだ。
何か階段のような物が
あるはずだ。
刑事と依代が空間の中を
カサカサと探し、
アチコチ弄り始めた。
「のあさん、ここに折り畳み式の
ステップがありましたよ! 」
「さっすが、依代ちゃん!! 」
「じゃあ、ここからは俺が……」
と、硬く固定されたステップ
を上手く外していくレイン刑事。
「男性がいて、良かったね?
依代~」
「私はそんな事より
この地下に何があるのか?
ですよ。全く、のあさんは~」
でも、女二人の力であの
ステップを降ろせそうに無いかも?
「降ろせるだけ下ろしましたよ 」
レイン刑事がそう言うと
次に依代が……
「誰か残って見張ります? 」
「そうだね。誰か来て、
戻れなくなったら困るからね 」
「レイン刑事さんは
信用して大丈夫ですよね? 」
「は? 」
「依代と二人で行きます」
「ちょっと女二人で大丈夫? 」
「はい。戻ったら引き上げを
手伝って下さいね」
私と依代はステップを伝い、
下に降りていった。
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