1326人が本棚に入れています
本棚に追加
/887ページ
長い静寂を破ったのは
ほかならない涼介だった。
「よぉルナ」
何もなかったように八重歯を見せる涼介に拍子抜けした
完璧すぎる笑顔が
無理しているように感じる
ちがう
涼介はこんなのじゃない
ふと、抱きしめられ唇を奪われたあの光景が目に映る
あたし達
またもとの関係に戻れるかな、
踏み込む勇気が出ないまま
あたしも、いつも通り笑った
「旅行はどうだった?」
「まぁまぁ、かな」
「へー楽しかったって顔に書いてるけど」
「ま、まさか。涼介こそ何してたの」
最初のコメントを投稿しよう!