第五章 死の囁きは永遠に

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「どうした」  立って窓から外を眺めている。狙撃兵がいたら真っ先に狙われてしまうだろう、装飾がついた軍服に身を包んでいる。  返答が無いので振り返ってみると、いつもとは違う奴が扉の傍にいた。そのうち二人、三人と中に入ってくるではないか。 「マケンガ大佐ですね」 「そうだが、君は?」  民間人の装い、例の商人だろうとあたりをつけながら問い掛ける。 「クァトロのエーン少佐です」 「ほう。主を助けに現れたわけか、感心なことだな」  敵対するような雰囲気ではなかった。かといって何をどうするわけでもない。 「大佐殿、脱出の手助けをしていただけないでしょうか」  状況から考え抜いた一言を吐き出す。マケンガ大佐は品定めをするようにエーン少佐を見詰めた。 「説明したまえ。何故私が貴官らの手助けをしなければならないのだね」  落ち着き払った態度は歴戦の司令官であったことを彷彿とさせる。軍歴に於いては、島とエーンの軍歴を足したもの以上なのだ。長ければ良いわけではないが、長くなければ感じ得ないことがあるのも事実である。
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