第六章 代償は屍の山

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◇  ルワンダ軍大尉が受信した内容を傍らのカーポに伝えた。だがカーポも意味がわからなかった。普段ならばそのまま忘れてしまったが、傍にドンがある今は自身が判断すべきではないと、一言一句違えずにプロフェソーラへと上申した。 「キシワを見ろ、だって!」  ――彼奴が居る。通信機を奪ったなら前線に出ているはずだ。ルワンダ語で知らせて来たんだ、西側に来ている! 「義姉さん」  ハラウィ少佐もキシワが島を表していることだけはわかった。悲しみを見せないのだ、ならば見付かったことを意味しているだろうと考えを巡らせる。 「近くにまで脱出してきている、ワリーフ、クァトロの降下した奴等でルワンダ語を喋る奴が誰かを確認しろ」 「わかりました」  ――敵の罠の可能性はどうだい? そんなのは食い破れば良いさ、どうやって居場所を探る? いや違うね、あちらから報せさせるんだ! 「お前はこれ以上下がらせるないようこの場を死守させるんだ!」 「シ ドン・プロフェソーラ」  手段を指示はしない、カーポの裁量に一任する。
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