第六章 代償は屍の山

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「地獄の沙汰も何とやらです。若いのが命を懸けてる間に調整してありますよ」  邪魔はあって当然だと割りきっていた。そこまでしてあるなら島に異存はない。 「レティア、船舶の手配だ。マルカの手空きを使おう」 「あいよ。海賊が出たら参るんじゃないかい」  不敵な笑みを浮かべ会話を楽しむ。ソマリア軍はそんな余裕は無かろうが、アルシャバブが出航してくるのは充分考えられた。 「仕事だと引き受けてくれるものかね」 「知るか、お前の器量で何とかしとけ」  ――出来ないとは言えんな。 「ちょっと電話を借りるよ」  一応の筋を通す意味から、ド=ラ=クロワ大佐ではなく、ゴードンに連絡をすることにした。 「お久しぶりです、イーリヤです」 「イーリヤさん、何やら大変なことになっているご様子。お察しします」 「真最中でして。キスマヨからマルカへの海上警備、依頼出来ないでしょうか?」 「……申し訳ありません。R4社はその依頼を受けることは出来ません」 「そうですか。解りました、無理を言って申し訳ありません」
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